概算保険料とは、所定期間に係る労働保険料の見込み額です。
確定保険料とは、所定期間に実際かかった労働保険料から概算保険料を差し引いた額です。
【所定期間】
継続事業の所定期間は、各保険年度(4月1日～翌年3月31日)になります。
有期事業の所定期間は、事業の全期間になります。
【継続事業と有期事業】
継続事業とは、事業期間の定めのない事業を言います。
有期事業とは、事業期間が決まっている事業を言います。
【労働保険料】
概算保険料 ⇒ 所定期間に支払う賃金総額の見込み額 × 一般保険料率
確定保険料 ⇒ 所定期間に支払った賃金総額 × 一般保険料率 － 概算保険料
労働保険料は、前払いになっています。
つまり、概算保険料で労働保険料の前払いをし、確定保険料で所定期間にかかった労働保険料の清算をする形になります。
継続事業の事業主は、以下の期限までに労働保険料を概算保険料申告書に添えて、納付しなければなりません。
| 継続事業 |
年度更新 |
保険年度(6月1日)から40日以内(7月10日まで) |
| 保険年度の中途に保険関係が成立 |
保険関係が成立した日の翌日から50日以内 |
有期事業の事業主は、以下の期限までに労働保険料を概算保険料申告書に添えて、納付しなければなりません。
| 有期事業 |
保険関係が成立した日の翌日から20日以内 |
継続事業の事業主は、以下の期限までに労働保険料を確定保険料申告書に添えて、納付しなければなりません。
| 継続事業 |
年度更新 |
保険年度(6月1日)から40日以内(7月10日まで) |
| 保険年度の中途に保険関係が消滅 |
保険関係が消滅した日から50日以内 |
有期事業の事業主は、以下の期限までに労働保険料を確定保険料申告書に添えて、納付しなければなりません。
概算保険料は、一括して納付することを原則としています。
しかし、額が大きい為事業主にとっては大きな負担になりかねません。
そこで、所定(延納)の要件のいずれかを満たした場合に限り、分割納付することが出来ます。
【延納要件】
＜継続事業＞
①納付すべき概算保険料の額が、40万円以上(※1)であること。
②労働保険事務の処理を、労働保険事務組合に委託していること。
※1 成立している保険関係が労災保険又は雇用保険いずれか一方の場合は20万円
＜有期事業＞
①納付すべき概算保険料の額が、75万円以上であること。
②労働保険事務の処理を、労働保険事務組合に委託していること。
【延納方法】
＜継続事業＞
保険年度を3期に分けて延納することが出来ます。
(保険年度の中途に保険関係が成立した場合は、延納回数と延納期限が変わってきます。)
| 各期の区分 |
納期期限 |
| 第1期：4月1日～7月31日 |
6月1日から40日以内：7月10日まで |
| 第2期：8月1日～11月30日 |
10月31日(11月14日※2) |
| 第3期：12月1日～翌年3月31日 |
翌年1月31日(翌年2月14日※2) |
※2 労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託している場合の納期限
＜有期事業＞
以下の区分に従い、事業の全期間について延納することが出来ます。
(保険年度の中途に保険関係が成立した場合は、延納回数と延納期限が変わってきます。)
| 各期の区分 |
納期期限 |
| 第1期：4月1日～7月31日 |
3月31日(※3) |
| 第2期：8月1日～11月30日 |
10月31日 |
| 第3期：12月1日～翌年3月31日 |
翌年1月31日 |
※3 第1期分については、前納になります。
事業主が、概算保険料や確定保険料を納期限までに納付せずに政府から督促を受けた時は、
以下の額がペナルティ(延滞金)として課されます。
【延滞額】
納期限の翌日から完納又は財産差し押さえの日の前日までの日数 × 年14.6%
事業主が確定保険料を申告しない場合や、申告書の記載に誤りがあるとに認められる時は、
政府が労働保険料の額を決定し事業主に通知します。この時に確定保険料又は不足額に
以下の額がペナルティ(追徴金)として課されます。
【追徴額】
確定保険料納付額 × 10/100
無駄な出費を防ぐためにも、概算保険料は確定保険料の申告は、納期限までに正確に行うようにしましょう。
弊社では、概算・確定保険料額の計算から申告書作成と納付までを一貫して代行致します。
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